革のあれこれ…
本日は、革卸屋さんが営業に来られて革の話をたくさん聞かせてくれたので、革について革卸屋さんの話、師匠の話、ネットで調べた話を総合して書いてみたいと思います。
ネットを見ていても皆さん誤認している方も多いようですし、僕も全く知らないに等しいので、間違った箇所があったらご指摘ください。
様々な行程を経て皮から革になるのですが、作成する作品や好みによって用途に合う行程を経た革を皆様にも考えていただけたらな~と思います。 1日や2日で語りきれる内容ではないらしいので、おおまかに書きます。
まず原料皮による分類
雄牛(ブルハイド 生後3年以上のオスの成牛)と雌牛(カウハイド 生後2年以上のメスの成牛)では、雄の方が上質だそうです。
オスはキメが細かくて、メスは腹のキメが粗いそうです。 出産や乳搾りでそうなるのでしょうかねぇ?? 原因は不明です。
ちなみに子牛皮(カーフスキン 生後6ヶ月以内)が牛皮中のトップクラスだそうです。
成牛皮に比べると銀面が平滑でキメが細かく美しいので、高級革になるそうです。
次は鞣し剤(なめし)による分類です。
●植物タンニンなめし
特徴は、茶褐色、光により暗色化しやすく低pHで淡色に、高pHでは濃色となるそうです。
硬く摩粍に強い、伸びが小さい、可塑性が大きい、成形がよいそうです。
比重は比較的大きく、耐熱性が劣るらしいです。
クロムなめしに比べ、行程に時間がかかるので価格も高価です。
伸縮性が小さく堅牢なので、ケース類、鞄、靴底など立体化する革製品に適しているそうです。
●クロムなめし
特徴は、青色で、柔軟性、弾力性、拡張性、耐熱性、染色性に優れ
比較的軽く、可塑性がいくぶん劣るそうです。
タンニンなめしに比べ、行程に時間がかからないので比較的、安価です。
柔軟性、伸縮性、弾力に富み、低熱性もあるので、靴の甲、袋物、服飾用などに適しているそうです。
●合タン(混合なめし、コンビなめし、ヘビタン)
タンニンとクロム両方を使用し、お互いの長所を生かしたなめし方法らしいです。
次はなめす行程による分類です。
●ピット槽(PIT槽 つぼ)
下処理を終えた後、ピット槽と言われるプールのような槽に漬け込む手法ですが、タイコと違い漬けているだけなので、行程に時間がかかるそうです。 価格も高価になります。
堅牢で、コバに豆カンナがかけれたり、コバ磨きが非常に綺麗にしあがるそうです。
●タイコ槽
下処理を終えた後、タイコと言われる洗濯機の様な槽に漬けグルグル回すそうです。
ピットに比べ、なめし剤も少量ですみますし、行程時間が短いので、比較的安価です。
グルグル回すわけですので、柔らかく、柔らかいから伸ばしやすいので、シワも比較的少ないそうです。
次に革の厚さについてです。
●スキ上がり後2.0mm以下の薄くち
使用するなめし剤が少なくてすみますし、ピット槽やタイコ槽に一度に入る量も多いので比較的安価になります。
●スキ上がり後2.0mm以上の厚くち
使用するなめし剤たっぷり吸うのでなめし剤が多いですし、ピット槽やタイコ槽に一度に入る量が少なくなるので比較的高価になります。 厚い=硬いので伸ばしきれない部分がありトラジワなどがどうしても残るそうです。
次にヌメ革についてです。
最も日本のレザークラフターが愛する革はヌメ革ですよね♪
ヌメ革とはタンニンなめしで染色や塗装・型押しなどの表面加工を施されないものを指すそうです。
一般的にはタンニン鞣しで作られた牛革のことを広く指すことが多いようです。
わが国では牛原皮の供給量不足から北米産を中心とした輸入ステアハイドを用いる事が多いそうです。
タンニンはミモザ由来のものを使用する事が多いらしいです。
つまり100%ベジタブルタンニンを使用するので、ヌメ革は廃棄されても土に返るという事ですよね!
製造工程中にも環境を汚染するような有害廃棄物をほとんど出さないそうです。
エコ革って事ですね~♪
ヌメ革の長所はタンニンなめしの所で書いたような、機能的な長所も含め、もっとも自然で牛独特の風合いを楽しめる所にありますが、逆に言えば牛本来のシワ、ムラ、血筋、傷などもろに、目立ってしまう革でもあります。
次にサドルについてです。
レザークラフトと言えば『サドル!』 レザークラフトの代名詞とまでなっているサドル…
僕が、趣味でレザークラフトをしていた時代はヌメ革とサドルレザーの明確な違いがわかりませんでしたし、高いのにキズ物が多い!ってイメージがあったサドルレザー…
サドルレザーとは正確には、ホッチキスの様な商標の様な物で、ファッション用語の一つと考えて欲しいです。
出所は確かではないので、あえて書きませんが、出所が違えばサドルレザーの作成行程を踏んでいても、あくまでもサドルレザー風であってサドルレザーではないです。
なぜかというと、タンナー(皮から革にする革屋さん)が仕入れている皮の種類、なめし剤の配合比、ピット槽に漬け込む期間、仕上げ処理をする行程、方法はタンナー独自で、門外不出の秘伝なわけですね。
一般的に言われているサドルの作成行程はこうです。
植物性タンニンを使用してピット槽に漬け込み、グレージング仕上げ(革に平滑性と光沢を与えるために、強い圧力を加えながら摩擦する仕上げ方法)した物をサドルレザーと呼ぶようです。
サドルレザーが高価な理由は、植物性タンニンを使用してのピット槽なので、大量のなめし剤を使用する上に3~4週間漬け込むと聞きます。(もしかしたらもっと漬け込むかもしれません)
↑ここまではヌメ革ですが、さらにビー玉の様な堅い物でゴシゴシ磨き上げていくそうです。
ヌメより行程が増えるので高くなるのは当たり前ですが、想像していただければ分かると思いますが、ヌメ革では目立っていなかった傷やシワが、グレージングする事によって浮き上がって目立つようになってしまうそうです。
確かに、ピッカピカでツルツルのサドルレザーはとっても美しいですが、シワ、キズを目立たせてしまうので、購入される方の好みによって、性質をよく理解して検討してもらいたいです。
次にやはり革を購入する点で気になるダメージについてです。
●かき傷
吟面に現れる引っかき傷の様なものですが、単に元気過ぎてついてしまった傷もあるようですが、主に牛の尻に多いそうです。
その理由は、ハエや蚊、単に痒い時、背中はシッポでバシバシっとできるそうですが、尻はシッポが届かないので、自ら有刺鉄線や木にお尻を擦り付けるそうです…
馬のコードバンの様に、牛も尻の革が繊維が密で良質なそうですが、傷が多いそうです。
●カマ傷
普通はエアーを使って皮を剥ぐらしいのですが、革の消費量の少ない地域や国によって伝統的にカマの様な刃物を使って皮を剥ぐらしいです。
主に腹の部分が剥げにくいらしいので、床面の腹部分にガバーっと横向きにえぐれた傷がある場合があるそうです。 たまに下手な方が剥いだ場合、吟面にまで穴が空いたり、何箇所も傷がある場合もあるそうです…
●右ケツ?左ケツ?
牛の一枚買いといっても右半身、左半身の半裁買いですよね。
川善さんの話によると、牛は寝る時、体を倒す向きが決まっているらしく、体を倒す側の尻の部分がウ○コでただれて、あれた状態になるそうです。
●クロずれ
黒いポツポツでカビのような物や、シミや色ムラがある場合がありますが、原皮(塩漬けされて輸入される時点)の時点で、折り方や扱い方によって吟面が傷ついたり日に当たってムラができる場合があるそうです。
●トラ
「トラ」とは自然の革につきものの一種のシワのようなもので、牛の首の周りや手足の付け根、腹や背中の皮のたるんだところなどの折り目などが、伸ばして平らにしたときにも模様のようになって残ったものです。
●シワ
人間にもあるシワですね…
●血筋
革の吟面や床面に葉脈のように枝分かれしている筋がしばしば見られるときがあります。
これは血管が皮膚のすぐ下を通っていた痕跡がそのまま残ったものです。
●色ムラ
革を染める時、革の繊維の密度や厚さなどによって染めムラや濃淡が出ることがあります。
革質はその動物が子供か大人か、オスかメスか、さらに同じ固体からとった革でも、それがお腹の部分なのか背中の部分なのか、首の周りなのかお尻なのかによって全くといっていいほど異なりますので、二つと同じ染め具合の革はないそうです。
●焼印
まれに焼印を押されている牛もいます。 吟面に残る跡ですが、好きな人によっては焼印のみたくさん買う人もいるそうですし、師匠も焼印の柄を見るのを楽しみにしているそうです。 先日やじるし(→)の焼印を押されてしまった革を見ました…^-^;
この様に、革として仕上がる以前にからダメージはたくさんあるようです、ホクロなどもあるそうですしね。
それぞれの行程の組み合わせを理解し、自然の恩恵として傷やダメージも愛せると素敵ですね♪
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